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コラム

ファミリーガバナンス

日本のファミリービジネスにおける事業承継状況

 帝国データバンクによる「全国・後継者不在企業動向調査(2019年調査)」によると、2017年以降に事業承継が判明した全国約3.4万社について、先代経営者との関係性をみると、2019年度の日本のファミリービジネスにおけるファミリーメンバーへの事業承継の割合は34.9%に達し、全項目中最も高い結果でした。

 しかし、2017年の41.6%と比較すると6.7%減少しており、ファミリーメンバーによる事業承継割合は減少しています。一方で、ファミリー外の役員・従業員等への事業承継は33.4%であり、2017年比2.3%増加となっています。また、社外の専門経営者を後継者として招聘した「外部招聘」は、2019 年は8.5%と2017 年比1.1%増加、M&A による事業売却等は、2019 年は18.4%と2017年比2.5%増加となっています。

 よって、日本のファミリービジネスは、今までのように「イエ」の意識を踏まえたファミリー内の承継にこだわるわけにはいかず、「所有と経営の分離」形態への移行やMBO、M&Aによる脱ファミリービジネスを選択せざるを得ないケースが増えていると考えられます。

(出所)

帝国データバンク(2019)「特別企画:全国・後継者不在企業動向調査(2019 年調査)」(2019 年11 月15日)」帝国データバンクHP,https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p191104.pdf(閲覧日:2022年2月20日)

水谷公彦(2022)「日本の企業オーナーファミリーにおけるファミリービジネス株式保有に関する一考察」日本大学大学院総合社会情報研究科紀要 Vol. 23 No. 1, pp.25-36.

水谷公彦
コモンズジャパン株式会社 取締役
水谷公彦税理士事務所 代表税理士